研究の経緯・分野


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研究経緯
 1971年からコンピュータグラフックス(以下CG)の研究を始め,日本におけるCG研究のパイオニアの一人である。 35年以上,CGの基礎から応用まで広く研究をしている。元広島大学の中前教授の指導のもとで 研究を始めた。広島大学(山下,金田研究室)と共同研究を行なった。1999年からは北大(土橋助教授)との共同研究を行っている。東京大学退職後、2013/4 からは修道大学に移籍し、同時に研究所(UEIリサーチ)を設立し研究を継続している。

 CGの基礎的研究としては,3次元物体の 隠線消去,隠面消去の方法,また,陰影表示においては,種々の光源に対するシェーディングモデルの開発を行った。特にリアルな画像を表示する手法の代表的技法である Radiosity法(相互反射を考慮する方法),半影の処理のパイオニアである。 最近は,雲,空,雪,水などの自然物の表示法の研究を行なっている。ハードウエアを利用した,水,砂状物質,髪の変形を高速描画する方法,画像のみでなく音の生成についても研究している。
 CGの応用としては,照明シミュレーション自然物の表示、景観評価,曲面を含むCADシステム毛筆フォント(墨絵)などのNPRモーフィングWebGraphicsなどの研究を行っている。 JavaによるCGプログラム、それを用いた教材に興味をもつ。 なお,CGで最も権威ある学会 SIGGRAPHに論文を多く発表している。
 西田の研究成果は多くの著書に引用されておりSIGGRAPHに論文が多く採択されているのみでなく、プローシーデイングスのbook coverにも多数の画像が掲載されている。 なお、研究の特徴は下記参照
 なおWikipediaにも西田の研究(Radiosity,soft shadow)が紹介され、 ACM SIGGRAPHからCoons賞受賞している。
< Radiosity | Soft shadow | Bezier Clipping | Light Scattering | Natural phenomena >


西田研究室の研究分野 (1972−2003)


 研究分野 

シェーディングモデル



( )内は論文出版年を示す。

  • カオスニューロンを用いた照明設計 (spr02)
  • 照明予測 (EG1995, EG1996)
  • 曲面のためのラジオシティ (EG1993), 天空光の高速計算(1995)
  • 天空光(SIG1986),スペクトルを考慮した天空(1991)
  • 円柱光源(1991)
  • 光の回折とバンプマッピング (SIG1990)
  • 大気散乱モデル (SIG1987)
  • 面光源,多面体光源 (COMPSAC1983)
  • 点光源(配光特性,スポットライト),線光源, (SIG1981) (SIG1982)(SIG1985) (ToG1985)
  • 日影時間の表示(1980)
  • シェーディングモデル(2)

  • ポイントベースモデルの相互反射(PG04)
  • 円柱光源(1991),曲面の相互反射 (EG1993)
  • 回折効果,道路の凹凸 (SIG1990),太陽光による半影(1991)
  • 大気散乱モデル (SIG1987)
  • 多面体に対する相互反射 (SIG1985)
  • 曲面の表示

  • スキャンライン法による曲面の隠面消去 (TVC1991)
  • レイトレーシング法による曲面の隠面消去 (SIG1990)
  • 工業製品のCADシステム開発
  • ポリゴンデータからメタボールデータへの変換 (SMI1999)
  • Sweep曲線の表示 (PG1999)
  • 曲面における水滴 (PG1996)
  • メタボール曲面(等濃度面)の表示 (EG1994)
  • 景観評価,画像合成

  • インテリアデザインのための天空光(EG1994)
  • 3次元画像合成(1989)
  • 航空写真と等高線による地形モデルの作成・表示 (SIG1989)
  • CG画像と背景写真のモンタージュ (SIG1986)
  • 自然物表示 

    自然物の表示(1)

  • 火山噴煙の表示 (PG2003)
  • CMLを用いた雲の生成シミレーションの表示 (ICS2002)
  • 雷の表示 (PG2001)
  • 雲の生成(1999),変形および高速表示(SIG2000)
  • 多重散乱を考慮した雲の表示(SIG1996)雪の表示(EG1997)空の色(PG1996)
  • 地球大気の表示 (SIG1993)
  • 大気散乱モデル, (SIG1987)
  • 自然物の表示(2):水の光学的効果

  • 多重散乱を考慮した海面の色 (VG03)
  • ハードを利用した水中のコーステックの表示 (PG2002)
  • 水の色(1991),水中の光学的効果 (SIG1994)
  • 2次元CG

  • 画像拡大(PG04)
  • 位相的なモーフィング (CW'02)
  • 形状補間(2002)
  • モーフィング (PG1993) (PG2000)
  • 3次元形状変形

  • Bsplineを用いた形状変形 (TVC'02)
  • パラメトリック曲面を用いた形状変形 (IASTED2002) (VIIP2002)
  • 多重解像度格子を用いた形状変形 (CW'02)
  • メタボールの変形 (SeniGakkai98)
  • 2次元CG,NPR

  • ストロークベースのNPR (IIEEJ (2004) )
  • 水彩画風 (artsci (2004))
  • ステンドグラス風 (EG'02)
  • ペンアンドインク風 (CADGraphics2001)
  • 毛筆,墨絵の表示(かすれ,滲みの表現) (CGI'93)
  • 閉曲線の走査変換,アウトラインフォント(1992)
  • インタラクティブレンダリング

  • 砂状物質のリアルタイム変形 (PG2003)
  • グレアのリアルタイム表示 (IIEEJ2003)
  • 水面によるコーステックの表示 (EG03)
  • 風きり音のリアルタイム表示 (SIG2003)
  • 地球大気のリアルタイム表示 (HW2002)
  • 人体

  • 髪のリアルタイム表示 (EG2003) Best Paper Award 
  • 肌のシワのリアルタイム表示 (PG02)
  • Web Graphics

  • 多重解像度ストリーミンギメッシュ (CGI03)
  • Web Graphicsのためのソリッドテクスチャー (PG02)
  • Java WBT(2001)
  • 隠線消去

  • 曲面の隠線消去(1992)
  • 多面体の隠線消去(1971)
  • 隠面消去

  • メタボール曲面(等濃度面)の表示(EG1994)
  • スキャンライン法による曲面の隠面消去(1992)
  • レイトレーシング法による曲面の隠面消去(1990)
  • 局所レイトレーシング法による隠面消去(1986)
  • 優先順位法による隠面消去(1986)
  • 画面分割法による隠面消去(1984)
  • スキャンライン法による多面体の隠面消去(1974) 
  • エリアシング(画質向上)

  • 3次元画像合成(1989)
  • 3次元物体のエリアシング(マルチスキヤニング法)(1984)
  • 線画のエリアシング(1981)

    計算機支援形状処理(CAGD)

  • Sweep曲線の表示(1999) (PG1999)
  • 曲面同士の交差(1991) (CAGD1989)
  • 曲線同士の交点計算法(1990)(CAD90)

    Computer Animation

  • Animation of Water Droplet Flow(PG96)
  • 3D Character Model Creation from Cel Animation(CW04)

    list of animation

  • SIG: SIGGRAPH, CGI: CG International, TVC; The Visual Computing, PG; Pacific Graphics, EG; Eurographics, CAD; Computer Aided Design, CAGD; Computer Aided Geometry Design, CG&A; IEEE Computer Graphics and Applications

    研究の特徴

    1. リアルな画像の生成
      リアルさは照明効果を忠実に計算することによって得られる。そのため,種々の光源(Spotlight, 線光源,面光源,天空光)に対するシェーディングモデルの開発を行った。特に,半影の計算,相互反射光の計算(ラジオシテイ法と呼ばれる)は,先駆的な研究である。
    2. 自然景観(自然現象)の表示
      CG画像と写真との合成法をはじめ,空,雲,煙,水 等の表示を粒子の散乱特性を考慮することで,リアルな画像の生成法を開発した。
    3. 形状処理とその応用;
      曲面のレートレーシングのため,Bezier Clipping法 を開発した。この方法は多項式の解を求めるのに有効であり,これを応用し,曲面を多角形に分割しないで表示する方法(隠線消去,レイトレーシングおよびスキャンライン法による隠面消去)を開発した。さらに,それをmetaballの表示や照明モデルにも応用(円柱光源,曲面光源)し,曲面間の相互反射の計算も可能とした。
    4. インタラクティブレンダリング;
      グラフックスハードウエアを利用し,水,髪,砂状物質をリアルタイムに変形表示可能とした。流体の考慮した風きり音の生成法は,CGの新たな研究方向をもたらした。

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