Abstract of our Japanese papers(6/6)



6 papers


IEICE 1986; 電子情報通信学会論文誌(Journal of IEICE), Vol.J76-D-II, No.8, pp.1515-1527

「散乱光モデルを用いたホトリアリスティックな画像生成」
"Photo-Realistic Image Synthesis Taking into Account Scattering"

中前,西田,金田,多田村
by Eihachiro Nakamae, Tomoyuki Nishita, Kazufumi Kaneda, and Katsumi Tadamura

Abstract

コンピュータグラフィックスは,その誕生から30年を過ぎ,その適用範囲は極めて多岐にわたり,90年代,完全に応用の時代に入った.ここでは,ホトリアリズムの中でも大気や水など,3次元空間に分布した気体や液体およびその中の漂遊微粒子(ちり,煙,霞,混濁微粒子等)の光学現象のモデル化によるホトリアリスティックな画像生成手法について議論する.すなわち,光源として,強い方向性を与えることのできる点光源,太陽直射光,大気の散乱による2次光源としての天空光を対象とし,被照体としては,一般の固体のほかに,上述の空気分子,エーロゾル,水分子,混濁粒子による光の散乱,吸収および水面における反射,屈折を考慮した光学モデルを考える.このモデルによって,スポットライト下の煙や,ヘッドライトによる光束,晴天,曇天下の風景,霧の効果,水質による水の色の変化,水中照明,宇宙から見た地球など,ホトリアリスティックな画像生成が可能になることを示す.

Key words

光のシミュレーション,光の散乱,水の色,ホトリアリズム

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IPSJ1986; 情報処理学会論文誌(Journal of IPSJ), Vol.27, No.11, pp.1077-1085

「局所レイトレーシングによる陰影表示法」
"Half-Tone Representation by Using a Local Ray Tracing"

中前,多田村,西田
by Eihachiro Nakamae, Katsumi Tadamura, Tomoyuki Nishita

Abstract

本論文は,光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を表示するための手法として,処理の速いスキャンライン法を基本とし,局所的にレイトレーシング法を適用する手法を提案するものである.レイトレーシング法は,光の鏡面反射・屈折を考慮することが可能なことや,各種形状の物体を取り扱えるメリットがある一方,一般に探索する光源と物体との交点を求めるために膨大な計算時間を必要とする欠点がある.そこで,外接箱(bounding box)を用いてこの計算量を節減手法が開発されている.しかし,この手法は,光源数が増すにつれ,影の計算時間が大きな割合を占める欠点がある.これらの問題を解決し,光の鏡面反射・屈折を考慮する必要のある物体を含む画像を光速に表示するために,次のような特徴を持つ手法を提案する.1)レイトレーシング法は鏡面反射や屈折を考慮する物体のみに適用する.この際,可視面(始点からの光線と最初に交わる面)は,スキャンライン法によって容易に求められるから,レイトレーシング法を適用する領域を容易に局所化することができる.2)レイトレーシング法を適用する際の視点から光線の探索および陰の処理に,外接箱と影空間(shadow volume)を用いる.これにより,計算点に他の物体が影を落とすか否かの判定を高速化できる.

Key words

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IPSJ1984; 情報処理学会論文誌(Journal of IPSJ), Vol.25, No.5, pp.703-711

「マルチスキャンニング法によるスムーズエッジ処理を施した三次元物体の陰影表示」
"Half-Tone Representation of 3-D Objects with Smooth Edges by Using a Multi-Scanning Method"

西田,中前
by Tomoyuki Nishita, Eihachiro Nakamae

Abstract

計算機により創成された三次元物体をラスタスキャンディスプレイ上に表示する場合,面の境界部が階段状となったり,小さい物体が見え隠れするエリアジングを生じる.これは画素数に対応した有限な拡散点で画像をサンプリングするために生じる.この問題を解決する方法としては,サンプリング点数を増加させる方法,各画素内に占める図形の面積を詳細に求める方法等が開発されている.また,これらの方法は隠面消去の方法と大きな関わりをもつ.ここで提案する方法は,陰面消去をスキャンライン単位で行う方法に適した方法であり,各画素の色は走査線を増加することにより求める.すなわち,増加した走査線上の図形の存在区間および輝度を求め,それらに適当なフィルタをかけることにより画素の色を決定する.なお,フィルタはフーリエウィンドとガウシアンフィルタを用いた.提案する手法は,画素内の面積を詳細に求める方法よりもアルゴリズムが簡単であり,水平方向に連続的にサンプリングすることから,サンプリング点数を増加さす方法よりもよい画質の得られる方法である.

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IPSJ1983; 情報処理学会論文誌(Journal of IPSJ), Vol.24, No.4, pp.429-435

「優先順位テーブルを用いた三次元物体の陰影表示の一手法」
"An Algorithm for Half-Tone Representation of Three-Dimensional Objects by Using a Priority Table"

西田,藤井,中前
by Tomoyuki Nishita, Katunori Fujii, Eihachiro Nakamae

Abstract

三次元物体を透視図として表示するには,隠面消去を行う必要がある.この隠面消去の方法には種々の方法が開発されており,その一つに,隠面消去のための図形走査に先立って,画面中のすべての面の前後関係,すなわち奥行きに関する優先順位を求めておく方法がある.本論文で提案する方法もこれに属すもので,凸多面体の集合を対象としており,次の特徴をもっている.(1)凸多面体単位に優先順位を決定することにより,視点(または光源)に対するその判定回数が減少し,また,その判定も容易となる.(2)前処理として,凸多面体の構成面のうちからある条件を満たす分割面と呼ばれる面を選択する.これにより,視点が与えられた際,分割面の視点に対する表裏を用いて即座に凸多面体同士の優先順位を決定することができる.なお,これらの分割面は優先順位テーブルにあらかじめ記憶しておく.(3)凸多面体の集合をいくつかのグループに分割して入力し,優先順位テーブルをグループ単位に作成することにより,移動物体を含む図形に対する優先順位の決定が容易となる.適用例により,提案する手法の有用性を示している.

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IPSJ1982 情報処理学会論文誌(Journal of IPSJ), Vol.23, No.4, pp.373-380

「線光源により照射された三次元物体の陰影表示」
"Half-tone Representation of 3-D Objects Illuminated by Linear Sources"

西田,中前
by Tomoyuki Nishita, Eihachiro Nakamae

Abstract

三次元物体の陰影表示に関して,近年,陰面消去問題に加え,より現実感のある画像を得るための種々の研究がなされている.しかし,これらの研究はtexture,反射等の物体の性質に主眼をおいてなされているものが多く,光源は平行光線あるいは点光源に限られている.本論文では,光源が線光源の場合の三次元物体の陰影表示について,照度計算を精度よく行うことにより,現実感のある画像を表示する一つの方法を提案している.線光源の場合,平行光線,点光源に比べて,影の形状が複雑となり,またその境界がぼけたものになるため,濃淡付け(照度計算)が複雑となる.そこで,これらの問題の解決法について述べている.本論文の特徴は次のとおりである.1)半影中を含み,照度計算を精度よく行うので,現実感のある画像が得られ,照明設計への応用が可能である.2)三次元物体を凸多面体の集合として取り扱うことにより,半影および本影を生じさせる空間を容易に決定できる.3)隠面消去のための図形走査の前に,各面上の影(本影,半影)の領域をあらかじめ求めておくことにより,照度計算が容易となる.

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IPSJ1981; 情報処理学会論文誌(Journal of IPSJ), Vol.22, No.6, pp.505-511

「カラーディスプレイにおけるスムーズな線分の発生法」
"An Algorithm for the Generation of Smooth Line Drawings on Color Displays"

西田,中前
by Tomoyuki Nishita, Eihachiro Nakamae

Abstract

ラスタスキャン型ディスプレイに線図形を表示する場合,表示した線分が階段状のギザギザ(jag)を生じる欠点がある.特に画素密度が十分でないカラーディスプレイの場合jagの発生が著しい.しかし,これまでに開発されているスムーズな線分の発生方法は主にモノカラーを対象としている.本論文では,中間調表示の可能なラスタスキャン型カラーディスプレイにおけるスムーズな線分の表示法を提案する.この方法では,線分を多角形とみなし,画素の色を,画素中の多角形の面積の関数として決定する.画素と多角形との交差部分の形状によりいくつかのモードに分類し,そのモードの遷移図を用いて,面積計算を簡易化している.また,本手法では色の異なる線分上,あるいは任意のカラー図形上にもスムーズな線分を表示できる.  本手法と従来法(輝度レベル2値)による表示例を対比して示した.

Key words

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Last update: 2003.11.6
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