[今まで発表した研究の概要または、はじめにの部分より抜粋]
波の反射光による集光効果を考慮した画像の生成法
コンピュータ・グラフィックスによる、山、地球、波、大気などの自然現象の表示が注目され、水の表現や波の表現も盛んに行れている。その中で浴室、洗面所といった場所での室内照明効果、水を伴う情景を景観シュミレーションする上で、波の集光効果を表現することが必要となる。すなわち、水面から近い距離にある物体には波面の形状によって光の照射状態が変化し光の模様が発生する。この光の模様は、火線(caustic)と呼ばれる。著者の一人は水中におけるcausticを表現する方法を既に発表しているが、水上の場合については考慮されていなかった。
そこで本稿では、水上に位置する物体上のcausticを表現する方法を提案する。この方法では、走査線上の各画素での輝度を記憶するAccumulation-bufferおよび走査線単位で奥行きを記憶するZ-bufferを用い効率よくcausticを計算できる。
水面における反射光・透過光を考慮した画像の生成法
コンピュータ・グラフィックスによる、山、地球、波、大気などの自然現象の表示が注目され、水の表現や波の表現が盛んに行われている。その中で浴室、洗面所といった場所での室内照明効果、水を伴う情景を景観シュミレーションする上で、水面における波、水の波面における水上での周囲の物体および水中の物体の映り込み、また波の集光効果を表現することが必要となる。本研究室では既に、水面の波の表示、波の集光効果によるcausticの表示を行う方法は既に開発されているが、水面での反射光による水上での周囲の物体の映り込み、水中からの透過光による水中の物体の水面への映り込みを表現する方法はまだ開発されていない。
本研究では、この水面での反射光による水上での周囲の物体の映り込み、水中からの透過光による水中の物体の水面への映り込みを忠実に表現するためレイトレーシングを用いて計算を行った。この際、モデルは曲面を多角形で近似せず、Bezier曲面で表現する。このため、レイトレーシングでの交点計算は、Bezier Clipping法を用いた。
本研究によって、水面の波の表示、波の集光効果によるcausticの表示、水面においての水上での周囲の物体の映り込み、水中の物体の映り込みを表現することにより、より景観評価に有用な画像の生成を行うことが可能となった。
メタボールの自由変形法による雲と煙の表示方法
テレビや映画、景観シミュレーションなどにおいて、雲や煙などをCGアニメーションとして用いる場合がある。本研究では、雲や煙の発生に関して物理則に忠実には基づいていないが、密度分布はメタボールを用いて表現し、FFD(自由変形法)を用いることにより雲や煙の変形を簡易的に行う方法を提案する。そして本稿ではある軌道に沿った、飛行機雲と煙突などから出る煙を取り扱った。
渦場を考慮したメタボールによる煙の表示方法
現在、CG(コンピュータグラフィックス)の分野において、雲や煙、波などの自然現象の表示が注目されている。そして、景観シミュレーション、テレビや映画などにおいて、雲や煙などをCGアニメーションとして用いる場合がある。しかし、煙は乱流運動をしており、乱流の速度場の変化は、煙が流れる付近の風速、温度、圧力の分布の変化を考慮しなければならず、煙の物理則にもとづいた厳密な運動を計算することは非常に困難であり、計算コストの面からあまり有用でない。よって本稿では、煙の発生に関して物理則に忠実には基づいていないが、煙の密度分布にメタボールを用い、渦場を考慮した流れの計算をすることにより、簡易的にリアルな煙の映像を得る方法を提案する。そして、本稿では、煙のモデルとして煙突などから出る煙を取り扱った。なお、煙の光学的効果(散乱、吸収)の計算は著者の一人が開発した雲の表示法を用いた。
中央のEEの文字を飛行機雲で描くアニメーションは、電子・電気工学科のホームページのタイトルページに用いられている。EEは、Electronics & Electrical Dept. の略です。電子・電気工学科ホームページのタイトルページもご覧ください。