3次元物体を2次元で表現するには投影が必要である。投影法としては、平行投影と透視投影がある。他に、斜投影、軸測投影があるが省略する。(文献3参照)。 平行投影の中で簡単なものに正投影がある。x-y平面(他のy-z、z-x平面でも同様)を投影面とすると、正投影はz座標を0とすることにより簡単に得られる。すなわち、変換行列は、
3次元物体を眺めた場合、図1.1のように、近くが大きく、遠方が小さく見える。こうした効果を表現できる投影法を透視投影(perspective projection)という。
簡単のため、投影面がx-y平面で、投影中心(視点に相当)がz軸上(原点から距離R)にある場合の、点P(x, y, z)の透視投影について説明する。図2.6のように、点Pが投影面に投影されたときの点をP'(x', y', z')とすると、三角形の相似から、次式が得られる。
これを同次座標で表現すると、次式で表される。
上式からが得られるから、x', y', z'をHで割って正規化すると式(2.15)が得られる。次に任意の点(すなわち視点)を投影中心とし、任意の点(注視点)を含む平面への投影を考える。視点を注視点からの距離R、方位角θ、仰角で指定するとする(図2.7参照)。
図2.7:透視変換 この変換は、まず (a) 注視点を原点とするように平行移動し、 (b) 視線(注視点と視点を結ぶ直線)が、投影面に垂直になるように回転する。 (c) 最後に投影面への透視投影をする。 前述の4×4の変換行列で表現するのが理想であるが、その場合演算数が多くなるので、ここでは、通常のマトリクスで表現する、移動と回転を組み合わせた式は、
となる。投影面での座標系での投影された点Pを()とすると、式(2.15)の考え方により、
となる。ここで分母の(R-z'')は視点からの奥行きに相当する。 図2.8: 透視図形 | |
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